あくせく働きたくもなければ地道な結婚する気もない34歳の彼女にとって、消費だけが今を生きる束の間の実感を与えてくれるものだったのだろう。自分の望む物質的に優雅な生活を、結婚を通じて手に入れることは容易ではないし、独身でも同じである。
だが、期限付きの「理想の女」になら、簡単に偽装できる。そして愛の空手形を切れば、現金が振り込まれてくる。小津安二郎や成瀬巳喜男の世界の延長線上で、既婚で頑張る必要も一人で頑張る必要もない。
だいたい、「どっちもどっち」で「やれやれ」かもしれない人生のどちらかを、なんでわざわざ選択しなけりゃならないの。みんな、いつまでもそこで右往左往していればいい。私は厭だ。「結婚で幸せになる」も「仕事で自己実現」も嘘じゃないか。そんな文句にいつまでも踊らされていると思うなよ。
34歳結婚詐欺師の女がもしそんなふうに考えていたとしても、私は不思議に思わない。
”客室乗務員は、東洋系の顔をしていても、日本語をまったく理解しない人が目立ちます。日本人は人件費が高いので、アジア系の女性を採用しているのでしょうが、日本人旅行客には、「日航なら間違いなく日本語が通じる」という理由で、日航を使っている人もいるだろうに。
隣に座っていた熟年女性など、日本人にしか見えない東洋系の顔をした可愛いお姉ちゃんに、日本語でものを尋ねて、英語で返答(「私、日本語解りませんので、日本人乗務員を呼んで参ります」)されて、唖然。
これなら、米系航空会社の方が、一目見て、誰が日本語通じそうかわかるだけ、まだしも親切というものです。
そのあとやってきた日本人乗務員の対応もすごかったです。
この女性の質問内容が、メキシコの入国カードに関する非常に基本的なことだったのですが、
「私はカナダまでの乗務ですので、わかりかねます。カナダで乗務員が交代しますので、そちらにお訊きください」
と、まあ、こういう返答が、気持ち悪いほどの満面の作り笑いでなされるわけですね。
ちなみに、この熟年女性は、レアな乗り継ぎ先のことを聞いていたのではなく、そもそも、JALはこの便(JL012)を「成田メキシコ直行便(バンクーバー経由)」として販売しているのですが。
てか、これらすべて、根本的に、経営再建とか経費削減とかサービスの意味をはき違えているだろうよ。
この会社は本当に勘違いしている、と、ほんとに身にしみて感じたところでした。
降りるときのアナウンスに、
「当社のことでご心配をおかけしていますが、これからも日本航空は頑張って参ります」
とか言っていたけれど、激安でもないのに、これだけ「貧乏」「落ち目」「利用客軽視」「慇懃無礼」オーラをふりまいていたら、
「頑張るって、何を頑張るんだ? いっぺん、経営破綻して勉強し直せよ」
と誰だって思うでしょう。
少なくとも、メキシコ線が廃止されるのであれば、もうJALに乗ることもないでしょうが、廃止のニュースを聞かなくても、できれば乗りたくないものだと客に思わせるナショナルフラッグって……。
”